Samstag, Juni 30, 2012

Donnerstag, Juni 28, 2012

シパ・バルドゥ

シパ・バルドゥ

これらの存在は
 すべてその本質が
 幻のようなものである

 どのように
 現われてこようとも
 実在しないものである

 これらのすべてが
 実在しない

 虚妄であり、
  陽炎のような
   ものである

 常にあるものではない
 不変なものではない

 こんなものに愛着して
 なにになろうか
 敵意をもって
 なにになろう

 無いものが
  有るように
 見えているのである

 これらのすべては
 私自身の心が
  現われ出た
 ものなのである

明日のことを思い煩うなかれ


Darum sorgt nicht für den anderen Morgen; denn der morgende Tag wird für das Seine sorgen. Es ist genug, daß ein jeglicher Tag seine eigene Plage habe.
(Mthäus 6.34)
明日のことを思い煩うなかれ。
明日のことは明日自身思い煩うべし。
一日の労苦は一日にて足れり。

Mittwoch, Juni 27, 2012

文字を習いて書を読める騎士ありき


文字を習いて書を読める騎士ありき。徒然により良き事も知らざりしかば、物語などせり。これは、楽しみ聞く人に聞かさんとて労をとれるものなり。この人は名をハルトマン、アウエの人なりき。この物語を作れるはこの人なり。(ハルトマン・フォン・アウエ『イーヴェイン』)

ein rîter, der gelêret was unde ez an den buochen las, swenner sîne stunde niht baz bewenden kunde,
daz er ouch tihtennes pflac (daz man gerne hœren mac,
dâ kêrt er sînen vlîz an: er was genant Hartman und was ein Ouwære), der tihte diz mære.

Montag, Juni 25, 2012

神の与えたもうた狂気



Denn freilich, wäre es unbedingt richtig, daß der Wahnsinn ein Übel sei, so wäre das schön gesprochen. Nun aber werden uns die größten der Güter durch Wahnsinn zuteil, freilich nur einen Wahnsinn, der durch göttliche Gabe gegeben ist.
そりゃ、狂気が悪いものだ、というのはもちろん当たっているかもしれないし、そう言えばうまいことを言ったことになるだろう。だけど、最も善いものこそ狂気を通じて与えられるのだ、もちろんただ神の与えたもうた贈り物としてではあるけれど。

Sonntag, Juni 24, 2012

沖縄県民斯ク戦ヘリ(大田実司令官の電文)

6月23日 第32軍司令官牛島満中将ほか司令部首脳、摩文仁(現糸満市)にて自決 慰霊の日
6月24日 歩兵第22・第89連隊軍旗奉焼、全滅
6月25日 大本営発表による沖縄本島での組織的戦闘終了

沖縄県民斯ク戦ヘリ(大田実司令官の電文)

Donnerstag, Juni 21, 2012

Der Bau

Man hat das Gefühl, als hätte man den Bau niemals eigentlich zur Verteidigung gegen einen Angriff eingerichtet, die Absicht hatte man, aber entgegen aller Lebenserfahrung schien einem die Gefahr eines Angriffs und daher die Einrichtungen der Verteidigung fernliegend oder nicht fernliegend (wie wäre das möglich!), aber im Rang tief unter den Einrichtungen für ein friedliches Leben, denen man deshalb im Bau überall den Vorzug gab. Vieles hätte in jener Richtung eingerichtet werden können, ohne den Grundplan zu stören, es ist in einer eigentlich unverständlichen Weise versäumt worden. Ich habe viel Glück gehabt in allen diesen Jahren, das Glück hat mich verwöhnt, unruhig war ich gewesen, aber Unruhe innerhalb des Glücks führt zu nichts.
Franz Kafka  "Der Bau"


私はこの長い日々、大変幸福であった。幸福に私は慣れきってしまった。私は不安になった。幸福の中に不安があっては何も生まれない。私がまず為すべき事は、本当は、この建築物を防衛とそれに降りかかるあらゆる可能性を吟味し、防塞と附属の建築物を設計しつくすことだろう。そして即座に、若者の清新さを持って建築に取りかかることだ。

Montag, Juni 11, 2012

鲁提辖拳打镇关西


魯達打鄭1)渭州経略府の提辖官、魯達は今日、九紋龍史進や打虎将李忠ら高名な武芸者と知り合って機嫌が良かった。昼から酒場に繰り出す三人。しかし座が盛り上がってきたところで隣室から女のすすり泣く声。「おい、主人!酒がまずくなる!」

魯達打鄭2)店主が出てきて謝った。「提辖さん、隣の泣き声は金翠蓮という可哀想な娘でして、借金があるのでうちの店でお客様に小唄を聴かせて日銭を稼いでいるのですが今日もさっぱり実入りがなくて父親と泣いているんで」これを聴いて魯達「それは哀れな。ではここへ呼べ」

魯達打鄭3)胡弓を携えた老父と、いかにも儚げな娘が出てきて魯達に無粋を詫びる。魯達が「なんだってそんな借金をこさえたんだ?」と尋ねる。金親子は都での商売に失敗してこの渭州に流れてきて、鎮関西なる肉屋の富豪に拾われたのだという。

魯達打鄭4)金老人「鎮旦那に半ば脅されて娘を身売りさせ、代わりに借金を返してもらうはずがなしのつぶて。あべこべに鎮の奥方からは手切れ金を出せとまで言われる始末で。困り果てて親子でこのような所で小銭を稼いでいる始末でございます」

魯達打鄭5)これを聞いた魯達は憤慨する。「肉屋の鎮関西だと?誰かと思えば経略府相公の使い走りをやっていた豚殺しの鄭屠のことか。あやつめ、小金を掴んで店を持ったぐらいで鎮関西とは図に乗りやがって。弱い者いじめにも程があるわい。拙者が話をつけてやる」

魯達打鄭6)魯達は居合わせた史進と李忠に頼んで金翠蓮とその老父に路銀を持たせ、二人を街道まで送り届けるように言う。魯達は自ら鎮関西の肉屋へ「話をつけに」向かう。店に着くとさっそく鄭屠が迎える。「これはこれは提辖さん、お久しぶりでございます」

魯達打鄭7)魯達は言う「おぅ鄭屠、今日は相公さまのご用でな、豚のいいのを10斤、脂身はちょっとでも入らんよう細切れで頼むぞ」「へいへい、さっそく」「あー、お前が自分で切ってくれ。小僧どもがやるんじゃ汚くてかなわん」「へい、それじゃあっしが」

魯達打鄭8)鄭屠は内心(豚殺し呼ばわりしやがって)と腹わた煮えくり返る思いだが提辖の魯達には頭が上がらない。「こちら、豚のとびきり新鮮なところを10斤でございます」しかしこの注文は金親子が安全に逃げるための時間稼ぎにすぎない。

魯達打鄭9)まだ十分に時間を稼いでいないと判断した魯達。「では次に脂身を10斤、赤身がこれっぽっちも混じらんよう、これも賽の目でたのむ」「脂身なんぞ何になさるんで…?」「相公のご注文だぞ!拙者が知るもんか!つべこべ言わずにさっさと切らんか」「へい…へい」

魯達打鄭10)脂身10斤を鄭屠が細切れにし終わったころには既に日は高く、金親子も街道まで逃げ切った頃合いである。鄭屠「こちらが脂身の賽の目で…」魯達「じゃあ次は軟骨を10斤賽の目で頼む」これには鄭屠もようやく普通の注文でないことに気づく。

魯達打鄭11)鄭屠「提辖さんは、あっしをなぶっていらっしゃるんで…?」十分時間を稼いだと判断して魯達は答える。「左様、拙者はてめぇをなぶってるんだよ!」そう言ってやおら、渡された精肉と脂身の包みを投げつけるとあたりはバラバラと時ならぬ肉の雨。

魯達打鄭12)鄭屠は包丁を持って躍りかかる。「貴様!豚殺し豚殺しとバカにしくさって!」うなる包丁も、魯達がヒョイと身をかわせば近くの肉切り台に刺さってもう抜けない。大兵肥満とはいえ鄭屠が拳を握っても魯達の相手にはならぬ。魯達は拳を振り上げて言う。

魯達打鄭13)「こいつめ!よくも偉そうに鎮関西などと名乗りおって!なぜ金親子をいじめた?!拙者が懲らしめてやるから覚悟せい!」胸を突かれた鄭屠が吹き飛んで調味台にぶつかると、辛いの酸っぱいの塩っぱいのみな混ざってまるで味噌屋の店先。

魯達打鄭14)調味料でべとべとになった鄭屠がそれでも「よくも殴ったな!」と叫ぶと「素直に謝るならともかく、まだ口答えする気か!ならばもっと拳骨を喰わせてやるわい!」鼻っ柱に二発めを受けた鄭屠の鼻は曲がり歯も十本は抜けてしまった。

魯達打鄭15)鄭屠は既に虫の息。「命だけはお助けを!金親子には詫びを入れて二度と手は出しません!」しかし魯達は許さない。「てめぇ、根性を出して最後まで手向かいするならともかく、拙者は謝られると余計に腹が立つんだ!もう一発喰らえ!」鄭屠は穴という穴から血を流し、息をしなくなった。

魯達打鄭16)魯達は内心(しまった!こいつ、たったの拳固三発で死ぬとは…)と思いつつ鄭屠の死体を指差して「こいつめ!死んだふりなぞしやがって。また改めて話はつけにくるからな!」と言うと大股で家に走り、金目の物をまとめると一路西へと逃げ去った(了)

Samstag, Juni 09, 2012

驱魔真君钟馗帝君

驱魔真君钟馗帝君 qūmózhēnjūnzhōngkuídìjūn ちゅーもぅじぇんちゅんちょんくぇいでぃーちゅん

Donnerstag, Juni 07, 2012

杨志卖刀 やんじーまいだぉ

杨志卖刀 やんじーまいだぉ 青面兽扬志 ちんみぇんしょうやんじー 

楊志売刀0)水滸伝で一番ツイてない、要領の悪い人、青面獣楊志(せいめんじゅうようし)。名前もカッコいいし武勇も抜群。だけど運が悪くてろくな目に遭わないこの男が、都でついに殺人を犯す「杨志卖刀 やんじーまいだぉ」の挿話が面白いのでツイートします。

 楊志売刀1)不幸な偶然による任務の失敗とそれに続く逃亡から、恩赦が出たのに乗じて都に戻り復職のために全財産を使い果たした楊志。ようやく殿帥府大尉高俅との面会にこぎつけるが、復職不可とにべもない一言。

 楊志売刀2)誇り高い武門の生まれにも関わらず、成り上がり者の高俅の一存によって復職の望みは水泡に帰した。一文無しになった楊志は仕方なく路上で家宝の名刀を売りに出す。

 楊志売刀3)「売刀(まいだぉ)!売刀〜楊家秘伝の名刀がたったの三千貫文だ、買った買った」買う者はいない。途方に暮れる楊志の耳に入ったのは「虎が来た!虎が来た!」の声 

楊志売刀4)「花の都に虎が出るとは面妖な…」いぶかる楊志の前からは人が消え、やってきたのは都でも札付きのワル、あだ名を毛無し虎の牛二というゴロツキである。「宝刀が三千貫だと?吹っかけやがって!」さっそく言いがかりをつけてきた。 

楊志売刀5)牛二「俺が三十文で買った包丁は豆腐も肉もよぉく切れるぞ。この刀と何が違うんだ?」楊志「我が宝刀は三つの点で他の刀に立ち勝る」「なにが優れてるだと?言ってみろや」「一つ、銅も鉄も切って刃こぼれなし」 

楊志売刀6)これを聞いた牛二、銅銭を二十枚ほども重ねてさあ切ってみろと楊志に迫る。楊志は静かに刀を振り上げるとやおら振り下ろす。銅銭二十枚は一枚残らず真っ二つ。言葉にたがわず一片の刃こぼれもない。 

楊志売刀7)牛二「調子に乗るんじゃねぇ!二つめはなんだ!?」楊志「二つ、刃に毛を吹きつければ動かずして切れる」やはり言葉どおり、吹きつけた髪の毛はみな二つになって刃の両側へはらりと散った。 

楊志売刀8)牛二「もったいをつけてねぇで、三つめはなんだ?」楊志「ここで試す訳にはいかぬ」牛二「すげぇ所が三つもあるってのは嘘だな!?でけぇ事を言いやがって!」楊志「では言おう…人を切って刃に血を止めぬ」

 楊志売刀9)牛二「それじゃあ人を切って見せろ!」楊志「ここは天子様のお膝元。都で殺人など畏れ多い。犬でも豚でも連れてくるがいい」「おめぇは人を切ると言ったんだぞ!駄法螺を吹きくさって!この刀はもらう」「三千貫だ」「銭はねぇ。刀はもらう」 

楊志売刀10)楊志「刀はやらん。うせろゴロツキめ」牛二「あぁん?じゃあ俺を切ってみろ俺を!できねぇってのかぁ?」「失せろ。お互い何の恨みもないはずだ」「おれはこの刀が欲しくなったんだよ!さあよこせ」「断る」 

楊志売刀11)牛二「その宝刀で俺を斬ることもできんのか、大した腰抜けよ!さぁさぁ!斬ってみせろ」言葉が終わるか終わらないかの瞬間、牛二の首は切られた。刃の上には一滴の血もなく冴え渡っている。 

楊志売刀12)「皆の衆、ご覧のとおり私はこのゴロツキに絡まれてこれをやむなく殺め申した。この楊志逃げも隠れもしませぬ。御見物の衆には役所で証人になって頂きたい」そう言って楊志は出頭し、本来死刑のところ観衆の嘆願により北京大名府へ流刑となった。(了)