邪鬼眼と私
[感想]田中ロミオ『AURA』
さすがにここまで具体的で幼稚な設定を胸に秘めていた訳ではなかったけれど、中二病と邪気眼は多かれ少なかれ自分のことのように感じる。衆愚の上に抜きん出て特別でありたいという気持ちは非リア充の鬱屈した青少年には普通に見られる心性であって、違いを測る基準が少ない学校時代にはほとんど誰でも持っている劣等感の変形である。それは一面では年齢を重ねるうちに他との差が薄められて消えていくものだし、また、時間をかけて自分を構成していく内にむしろ同じであるわけがないと理解されてくるものだ。しかし、周りと自分を比べて見てしまう時には必ず心の底に澱む気持ちでもある。
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